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浄土真宗 宗恩寺住職のブログ

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宗恩寺(そうおんじ)は大阪市天王寺区にあります。真宗大谷派(お東)の末寺です。浄土真宗のお寺は何をしてるの? 仏教って何? どんどん公開していきますので、お寺へ行ってみよう!と思っていただけたならうれしいです。

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よく間違える、大きな失敗をする…それ、わざとかも知れません!(その2)


よく間違える、大きな失敗をする…それ、わざとかも知れません!(その2)_b0400632_01124106.jpg▼前回(その1)は、《「自分を見てもらうために」、「他人と繋がらないために」、「(自分に命令をしてくる)誰かを守るために」わざと失敗している》というお話でした。今回は、その続きです。

▼確認をしておけば失敗を防げたのに、それを怠ったために失敗した、という事はありませんか?
「確認をしておけば防げた」と思っているけれど、確認しなかったのは、失敗するための準備だったという事もあります。「確認しなかったので、ミスをして良い(ミスができる)」という許可を自分に与えているのですね。
なぜ失敗ばかりするんだろうと悩んでいたかもしれませんが、見方を変えたら、実は簡単なカラクリなんです。自分の望み通りに「わざと失敗」しているだけなのです。

①音を出す(失敗する) → (A)人に注目される。
②怒られる、責められる → (B)人に相手にしてもらえる。
③信用されない     → (C)孤立する。人と付き合わない。
④落ち込む       → (D)楽しくない、苦労の多い人生。
⑤自信がなくなる    → (E)チャレンジしない、できない。
⑥ずっと気になる    → (F)緊張する、他のことを考えられない。
⑦自分を責める     → (G)悪いのは自分だ。

「自分を見てもらうために」、「他人と繋がらないために」、「(自分に苦労や孤立をするように命令をしてくる)誰かを守るために」、失敗によって生じる①~⑦の出来事によって、(A)~(G)の結果になりました。

▼常に不安や孤独を感じている人が、失敗を起こすことで、一時的に他人からの「働きかけ」(ストローク)を得ます。でもすぐに孤立に戻ってしまうので、ストローク欲しさに再び失敗を起こします。

失敗から得られるストロークは、暖かくないものですし、賞賛とは正反対のものですが、日頃から暖かい「プラス」のストロークが得られずに「飢えている」ような人は、「マイナス」のストロークでも、ストロークが「ある」だけマシなのです。飲食物が何も無い非常事態に、泥水や雑草に手を出すようなものですね。

そうすると、「怒ってくれる人」「構ってくれる人」は、とてもありがたい存在になります。
最初は易しく叱ってくれた人も、失敗の繰り返しで、次第に厳しく怒るようになります。それでも直らないなら、突き放したような対応を取るようになりますね。そう、自分に「孤立」「孤独」を感じさせてくれる「道具」の出来上がりです。

▼ところで、失敗を繰り返す人が身近にいると、イライラさせられ、怒りっぽくなってしまいませんか? 相手に怒りをぶつける「理由」ができたので、ここぞとばかりに爆発する人があります。(パワハラはその典型ですね。)そして、失敗する人を、怒りをぶつけるための標的、「道具」にしているのです。

このように、お互いに道具にし合う、という関係が生まれることがあるのです。人を道具にする関係性、これが「ハラスメント」の世界の本質なのです。


by souonji_osaka | 2020-10-07 01:05 | こころの話

by 住職 池田英二郎